心リハ指導士への道「心リハに関する基本事項」

医療者向け

心リハ指導士の試験ですが、公式の過去問も問題集もありません!!

試験勉強するには日本心臓リハビリテーション学会が出版している、
2022年増補改訂版 指導士資格認定試験準拠 心臓リハビリテーション必携

https://www.jacr.jp/impor/reference/

全385ページを読むしかありません!!(さらにガイドラインなどからも出題があります….)

そうなるとあまりにも大変ですし、日々の臨床業務プライベートを多大に犠牲にしなければいけなくなります…。

そこで、このシリーズは「心リハ指導士への道」と称して私が心リハ指導士の資格を得るために勉強したことをわかりやすくまとめたものとなっています!!
 どの投稿から見てもいいようにあえてナンバリングはしていません!!タイトル冒頭の「心リハ指導士への道」を目印に興味のある投稿から読んでいただければと思います!!

それでは今回は「心リハに関する基本事項」について一緒に勉強していきましょう!!

心臓リハビリテーションの定義・目的

心リハとは、

医学的な評価、運動処方、冠危険因子の是正、教育およびカウンセリングからなる長期的で包括低名プログラムである。このプログラムは、個々の患者の心疾患に基づく身体的・精神的影響をできるだけ軽減し、突然死や再梗塞のリスクを是正し、症状を調整し、動脈硬化の過程を抑制あるいは逆転させ、心理社会的ならびに職業的な状況を改善することを目的とする

とされている。すなわち、

①身体的および精神的デコンディショニングの是正と早期社会復帰
②冠危険因子の是正と二次予防
③QOLの向上

心臓リハビリテーションの構成要素

①運動療法(運動プログラム、運動処方含む)
②患者教育(冠危険因子の評価・是正、禁煙指導など)
③カウンセリング(社会復帰・復職相談、心理相談など) で構成されています!

運動療法(運動プログラム、運動処方を含む)

項目内容
運動耐容能・最高酸素摂取量 VO₂ maxの↑
・嫌気性代謝閾値増加(AT pointの改善)
症状・心筋虚血閾値の上昇による狭心症発作↓
・同一労作時の心不全症状↓
呼吸・最大同一負荷強度での換気量↓
=換気量↓でも酸素摂取量を維持可能!
心臓・最大同一負荷強度での心拍数↓
・最大同一負荷強度での心仕事量(二重積)↓
・左室リデモリングの抑制
・左室収縮能の増悪×&拡張能↑
・心筋代謝↑
冠動脈・冠狭窄病変の進展↓
・心筋灌流↑
・冠動脈血管内皮依存性、非依存性拡張反応↑
中心循環・最大動静脈酸素較差↑
=末梢での酸素使用↑
末梢循環・総末梢血管抵抗↓
・末梢動脈血管内皮機能↑
炎症性指標・CRP、炎症サイトカイン↓
骨格筋・ミトコンドリア↑
・骨格筋酸化酵素活性↑
・骨格筋毛細血管密度↑
・Ⅱ型→Ⅰ型への筋繊維型の変換
冠危険因子・収縮期血圧↓
・HDL-Cho↑、中性脂肪↓
・喫煙率↓
自律神経・交感神経緊張↓
・副交感神経緊張↑
・圧受容体反射感受性↑
血液・血小板凝集能↓
・血液凝固能↓
予後・冠動脈性事故発生率↓
・心不全増悪による入院率↓
・生命予後↑(全死亡・心臓死↓)

患者教育(冠危険因子の評価・是正、禁煙指導など)

器質的疾患を有さない高血圧症・脂質異常症・糖尿病に対する運動療法単独の効果は確立されています。よって心リハにおいても同様の効果が期待されています!

運動療法単独あるいは運動療法を中心とした心リハのメタアナリシスでは、
総コレステロール、中性脂肪、収縮期血圧および喫煙率の↓が報告されています!!

最近の報告では、心臓死↓のおよそ半分が冠危険因子の是正によるものとされており、特に禁煙の効果が大であったと報告されています!

カウンセリング(社会復帰・復職相談、心理相談など)

うつや不安も独立した循環器系の危険因子であり社会・心理的介入を加えることで精神的不安が↓し、死亡率や再発率が発症当初2年間は有意に↓する!!

心臓リハビリテーションの時期的区分(第Ⅰ~Ⅲ相)

急性期心リハ

この時期の目標は、自分の身の回りのこと(食事・排泄・入浴など)ができるようになることと、二次予防に向けた教育を開始することです。

急性心筋梗塞の場合、クリニカルパスに則り6日目以降は運動療法の禁忌がない限り、回復期心リハプログラムへと移行していきます!

回復期心リハ(回復期早期・回復期後期)

離床~社会復帰までの期間です。

維持期心リハ

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